これから大人になってから歯科矯正を始めようと思っている方の中には、『親知らずや過剰歯の抜歯は必要?』『手術って痛いの?』と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
私自身も精密検査の段階で親知らずと過剰歯が見つかり、大学病院で全身麻酔の手術を受けることになりました。
「手術って痛いの?」「入院が必要なの?」と不安でいっぱいでしたが、実際に経験してみると、準備や流れを知っておくことで心構えができ、想像よりも落ち着いて受けられました。
この記事では、
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抜歯手術の流れ(入院・全身麻酔)
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かかった費用や期間
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術後の生活や食事の工夫
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実際に感じた痛みや大変さ
を私の体験談とあわせてまとめます。これから大人の歯科矯正を考えている方の参考になれば嬉しいです。
検査〜手術決定までの体験談
歯科矯正前の精密検査でわかったこと
矯正を始める前に受けた精密検査では、レントゲン・CT・歯型を取りました。
最初に矯正専門クリニックで検査したときには「親知らず」が深い位置にあることがわかり、大学病院での抜歯を勧められました。
さらに、紹介された大学病院で改めて精密検査を受けたところ、前歯と鼻の間に「過剰歯」が見つかりました。
もしこの過剰歯に気づかずに矯正を始めていたら、前歯とぶつかって前歯を失ってしまう可能性があったそうです。
検査で見つかったのは本当に幸運だったと思います。
大学病院に紹介された理由と気持ち
親知らずが深い場所に生えていて、過剰歯も神経に近い位置にあるため、町の歯医者や矯正歯科では手術が難しいとのこと。
そのため、大学病院を紹介されました。
ただ、最初に紹介されたときは「思ったより大掛かりだな」という不安がありました。
矯正を始めるまでのステップが長くなるとは想像していなかったので、少し気持ちが重くなったのを覚えています。
抜歯と全身麻酔の決定
抜歯は局所麻酔ではなく、最初から「全身麻酔での手術」が前提でした。
親知らずが奥深くに埋まっていて、さらに過剰歯が神経のすぐ近くにあったため、全身麻酔でないとリスクが高いと言われたのです。
全身麻酔も手術そのものも初めての経験だったので、不安は大きかったです。
さらに「術後は前歯付近の感覚が鈍くなる可能性がある」とも説明され、どうなるのか正直とても怖かったのを覚えています。
大学病院での抜歯手術の流れと術後の経過
日帰りでの入院と手術
私の場合、入院は日帰りでした。
当日の流れは「入院手続き → 点滴 → 麻酔 → 手術 → 回復室 → 病室に戻る」という感じだったと思いますが、正直なところ細かい記憶はあまりありません。
全身麻酔を受けたのはこれが初めてでした。麻酔を入れられてからは気づいたら眠っていて、起きたときにはすべて終わっていたという感覚でした。想像していたよりも一瞬で、手術中の不安を感じる暇すらありませんでした。
術後の体調
手術が終わってからは、まず口の中の感覚が戻らず、血の味が続くのが気になりました。
さらにその日の夜には39度の高熱が出て、翌日まで続いたのが大変でした。
食事に関しては、術後すぐは食べられず、夕食までは禁止。水分は少し取れましたが、タイミングは制限があったと記憶しています。
退院と帰宅後
手術は日帰りだったので、当日のうちに退院。
帰宅後は柔らかく消化の良い食べ物を勧められ、実際にそうした食事を心がけました。ただ、夜は高熱でとにかくしんどかったのを覚えています。
抜歯や精密検査にかかった費用【合計14万円】」
矯正前にかかった費用
矯正治療を始める前には、思った以上にいろいろな費用がかかりました。まずは精密検査です。最初に受けた矯正クリニックで5万円、その後、最終的に矯正治療をお願いすることになった大学病院でも5万円かかり、合計で10万円ほど支払いました。精密検査は保険適用外だったため、すべて自費負担でした。
さらに、親知らずと過剰歯の抜歯にも費用がかかりました。こちらは手術と入院を伴ったため、4万円ほどでしたが、この部分は保険が適用されたので大きな負担にはなりませんでした。
結果的に、矯正装置をつける前の準備段階だけで 合計約14万円 ほどかかっています。
抜歯後の生活(食事・痛み・日常生活)
親知らず・過剰歯の抜歯後の生活
食事の工夫
手術直後は食べられるものが限られていたので、なるべく噛みやすく消化の良い食事を心がけました。特にうどんは柔らかくて食べやすく、術後の食事には助かりました。固いものや刺激物はしばらく避け、口の中を傷つけないように注意しました。
痛み・腫れへの対応
術後は1週間ほど腫れが続きました。痛み止めは処方されましたが、それ以上に気をつけなければならなかったのが感染症でした。抜歯後は感染のリスクが高まるとのことで、抗生物質を処方され、それをしっかり服用しました。おかげで大きなトラブルはなく過ごせましたが、腫れが引くまでは鏡を見るたびに「まだ腫れてるな…」と感じていました。
仕事や日常生活への影響
抜歯後1週間は、歯茎に黒い糸で縫合された状態が続きました。口を開けたときに糸が目立つので、人と話すときに少し気になりました。また、腫れのせいで表情がこわばり、会話や外出も控えめになった時期がありました。
抜歯後に始まった矯正治療
親知らずと過剰歯の抜歯が終わり、ようやく矯正治療がスタートしました。
私がワイヤー矯正を始めたのは 2025年2月ごろ です。
通院の頻度はおよそ 3週に一度。ワイヤーの調整や口腔内のチェックがあり、そのたびに新しい段階へ進んでいく感覚がありました。
ただ、始めてみると想像以上に大変なことも多かったです。
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痛み:特に矯正を始めた直後やワイヤーを調整した直後は、噛むときに強い痛みがありました。硬いものを噛むのは不可能で、食事がかなり制限されます。
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食事制限:硬い食べ物や粘着質のある食べ物は避ける必要があり、食べられるものが限られてしまいました。
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見た目:ワイヤーが歯全体につくので、どうしても口を開けると目立ちます。慣れるまで人前で笑ったり話したりするのに少し抵抗がありました。
それでも「歯並びがきれいになっていく」という実感が少しずつ湧いてきて、モチベーションにつながっていきました。
親知らず・過剰歯の抜歯を経験して感じたこと
今回の抜歯・手術を通じて強く感じたのは、「やっと矯正治療のスタートラインに立てた」という安心感でした。親知らずや過剰歯は、残しておいても日常生活に支障はありません。しかし矯正を行ううえでは避けて通れない問題であり、この手術を乗り越えて初めて治療が始められるという達成感がありました。
一方で、矯正を始める前に全身麻酔での手術を受けなければならなかったことは、やはり大きな心理的ハードルでした。手術そのものへの不安に加えて、全身麻酔のリスクもあり、精神的に負担を感じたのを覚えています。
これから矯正を考えている方へのアドバイスとしては、精密検査は複数のクリニックで受けるのがおすすめということです。私自身、最初のクリニックでは親知らずしか見つかりませんでしたが、大学病院で改めて検査を受けたことで過剰歯が発見されました。もし気づかずに矯正を進めていたら、長い期間と多額の費用をかけても失敗していた可能性があります。
検査費用はそれなりにかかりますが、矯正の結果を左右する大切な工程なので、ここに投資する価値は十分あると感じました。
まとめ
大人になってからの歯科矯正は、思っていた以上に「準備」が大変でした。
私の場合は精密検査で親知らずと過剰歯が見つかり、大学病院で全身麻酔による抜歯手術を受ける必要がありました。手術や術後の不安、費用や時間的な負担もありましたが、振り返ってみるとどれも矯正治療を安全に進めるために欠かせないステップでした。
特に「精密検査で問題を早めに見つけられたこと」は本当に大きかったです。検査費用はかかりましたが、リスクを回避できたことで安心して矯正を始めることができました。
これから大人の歯科矯正を考えている方は、
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精密検査は妥協せず複数のクリニックで受けてみる
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抜歯や手術が必要な場合もあると覚悟しておく
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費用・時間・痛みなどを含めて「準備も治療の一部」と考える
この3点を意識すると、治療を前向きに受けられると思います。
まずは矯正を検討しているクリニックで相談しつつ、可能ならセカンドオピニオンとして別の歯科でも精密検査を受けてみると安心です。
なお、見た目のケアを少しでも早く始めたい方には、
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大変なことも多いですが、その先にはきっと「やってよかった」と思える瞬間があります。私の体験が、少しでもこれから矯正を始める方の参考になれば嬉しいです。
大人の歯科矯正は時間も費用もかかりますが、最初の準備段階を丁寧に進めることで、治療の成功率はぐっと高まります。これから矯正を考えている方は、ぜひ複数のクリニックで精密検査を受け、安心できる環境でスタートしてください。